映画「海獣の子供」ネタバレ感想レビュー評価

映画 海獣の子供 ネタバレ感想レビュー評価

©2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会

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映画「海獣の子供」ネタバレ感想レビュー 評価【 85点 】

ど~も、アニメ大好きボッチおじさんです。

先日気になっていた劇場アニメ映画「海獣の子供」を観てきました。そのネタバレ感想とレビュー評価です。

以下ネタバレ有りの感想レビューになるので、本編鑑賞前のかたはご注意ください。

原作の手描きのアナログさを生かしてアニメ化した神秘的なまでの映像美

劇場アニメーション映画「海獣の子供」は五十嵐大介さんの漫画が原作の作品です。原作の五十嵐大介さんは以前にNHKの「漫勉」に出ていたのを見たのが初めてで、美大を出ている人のようで流石に画力が凄いなあという印象でした。そのときも動物が多く出てくる「ディザインズ」という作品の作画の様子が撮影されていて、作画に対して拘りがある作家さんのように感じました。

 

海獣の子供 原作コミック

©2019 五十嵐大介・小学館

その五十嵐大介さんの作品をアニメ化するのはかなりハードルが高そうだなあ、と思いましたが予告を見た感じだとかなり頑張って作っているのが分かったので期待して観に行きました。

五十嵐大介さんの印象はラフな線のアナログテイストを上手く生かした作画。特にランダムな線を重ねて描く背景が上手い人だなあと思いました。今回の映画で美術監督を担当した人は相当な覚悟が必要だったろうなあと思いました。

 

映画 海獣の子供 背景参考画像

©2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会

実際劇場で見た印象だと背景はかなり良かったです。特に凄いと思ったのは背景を見ただけでその材質の質感が伝わるようなクオリティーに仕上がっていたところです。家の木戸がちょっと古びた感じとか、鉄が塩で錆びた感じとか。

 

映画 海獣の子供 キャラ作画参考画像

©2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会

キャラクターの作画も原作のテイストを損なわないデザインで良かったです。キャラクター以外の作画もとても丁寧に作られていました。打ち寄せる波の作画とか地味なところも綺麗に作画されていました。2D作画が弱くなってきた昨今でも、まだまだSTUDIO4℃さんは優秀な作画スタッフと繋がっているようで安心しました。

手描きと背景・CG・撮影のバランスが上手い

映画 海獣の子供 撮影参考画像

©2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会

アニメーションがデジタル化してから1つの課題としてあったのが、手描きとデジタルの調和というものが挙げられると思います。画面内に「手描きの作画」・「背景」・「CG」・「撮影処理」が自然な状態で共存しているのが理想の画面だと思います。この「海獣の子供」ではそのバランスがとても上手かったなあと思いました。

キャラクターと背景が原作のテイストを生かしたアナログ寄りの素材でCGや撮影処理と馴染ませるのが難しそうなのに、凄く自然なフィルムに仕上がっていて良かったです。

海が舞台の作品だったので魚類や哺乳類など海の生物がたくさん出てきたのですが、手描きとCGをカット毎に上手く使い分けて自然に混ぜてあったので違和感をほとんど感じませんでした。

ドラえもんのイメージが強い渡辺歩監督の今後が気になる

渡辺歩監督作品「恋は雨上がりのように」

© 眉月じゅん・小学館/アニメ「恋雨」製作委員会

渡辺歩監督は長年シンエイでやられていた方のようでドラえもんのイメージが強かったので関わった作品をあまり観る機会が少なかったのですが、最近だと「団地ともお」とか「恋は雨上がりのように」とかを時々テレビで観た記憶があります。全話観てないのですが、特に「恋は雨上がりのように」は丁寧な作りと雰囲気がとても良かったのが印象に残っていました。

今回の「海獣の子供」で初めて渡辺歩監督作品をちゃんと全編観たのですが、原作への敬意とフィルム作りへの強い熱量を感じられる素敵な作品でした。フリーになられてからはドラえもん以外の違った作風の作品を数々やられているようなので、今後の活躍も非常に気になります。

米津玄師の主題歌「海の幽霊」が素晴らしい

予告映像で一番印象的だったのが米津玄師さんの主題歌「海の幽霊」でした。米津玄師さん本人も原作のファンだったようで、その世界観を見事に曲に仕上げている素晴らしい楽曲だと思いました。

映画本編もスケールの大きい話だったのですが、この楽曲もそれに負けないような奥行きを感じさせる曲で米津玄師さんは出す曲出す曲外れがないというか、今の日本で一番才能を発揮させて活躍されているミュージシャンの1人だなあ、と改めて思いました。

話のスケールが大きすぎて観終わったあと呆然とした

映画 海獣の子供 スケールが大きい参考画像

©2019 五十嵐大介・小学館/「海獣の子供」製作委員会

今回「海獣の子供」は劇場の大きなスクリーンで観て良かったなあと思える作品でした。最後まで集中して観ることが出来たので、観終わったあとスケールの大きさについていけず暫く呆然としてしまいました。観終わった後にこういう感覚になる作品は少ないので貴重な体験ができました。

私は原作をまだ読めていないので、この作品のテーマであろう生命の起源にまつわるような話の部分が1度観ただけでは全部理解出来ませんでした。原作のほうも気になるのでいつか読んでみたいです。今回の映画も映像的にとても見応えがある作品だったので、パッケージ化したら映画のほうもまた何回か観てみたいなあと思います。

(*^_^*)


アニメーション映画「海獣の子供」公式サイト

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